先日「ジョハリの窓」についての記事を書きました。
ジョハリの窓は、自己認識と他者からの認識のギャップを可視化するフレームワークです。
4つの窓があります。
- 開放の窓:自分も他者も知っている自分の側面
- 盲点の窓:自分は気づいていないが、他者には見えている側面
- 秘密の窓:自分は知っているが、他者には見せていない側面
- 未知の窓:自分も他者も気づいていない潜在的な側面
通常、このツールは個人の自己理解のために使われます。
でも、もしかすると企業にも応用できるんじゃないかと、ふと思いました。
今回は、この手法を「個人」だけでなく「企業」にも応用する話です。

「企業版ジョハリの窓」を考えてみると、こんな感じになるでしょうか。
- 開放の窓:企業が自覚し、市場にも認知されている強み
- 盲点の窓:企業は気づいていないが、市場から評価されている価値
- 秘密の窓:企業内部では認識しているが、外部には伝わっていない特徴
- 未知の窓:企業も市場も気づいていない潜在的可能性
自社の「盲点の窓」を知る方法としては、顧客調査やマーケティングリサーチがあります。
でも今回は、別の方法を考えてみましょう。
そう、AIに聞いてみる、です。
「外部の目」を「顧客・市場」ではなく「AI」に置き換えてみると、新しい視点が生まれます。
- 開放の窓:企業が認識し、AIも理解できる特徴
- 盲点の窓:企業は気づいていないが、AIが分析によって発見できる特徴
- 秘密の窓:企業は認識しているが、AIには見えない/入力されていない特徴
- 未知の窓:企業もAIも気づいていない可能性
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AIがあなたの企業をどう見ているか…。
この視点が、思いのほか重要になってきています。
なぜなら、「AI検索」の時代が到来しつつあるからです。
人々は、「検索エンジン」を自分で使うのではなく、「AIに質問する」ようになります。
これに伴い、SEO(検索エンジン最適化)の概念が大きく変わろうとしています。
従来のSEOは、キーワードの配置や被リンク数などの「指標」に焦点を当てていました。
しかし、AI検索では、AIがコンテンツの本質を理解し、ユーザーの意図に最も合致する情報を提供します。
つまり、「AIがあなたの企業をどう理解しているか」が、AIの推奨に直結する。
SEOに代わる新しい概念として「AIO(AI Optimization)」や「AEO(AI Engine Optimization)」という言葉も生まれつつあります。
この変化は挑戦でもありチャンスでもあります。
AIに「正しく」理解されることで、顧客に発見してもらえる可能性も高まります。
量よりも質、つまりコンテンツの本質的な価値が評価される時代になるのです。
そこで、一度やっておきたいのが、「AIの目であなたの企業を見る」というプロセスです。

自社を「AI×企業のジョハリの窓」で分析するメリットを考えてみましょう。
- 盲点の発見:AIが分析によって見出す「あなたが気づいていない強み」は、差別化ポイントになる可能性があります。AIに「エゴサーチ」させることで、自社のおもいがけない特徴や、競合と比較した際の隠れた優位性などが浮かび上がるかもしれません。
- AI認識のギャップ修正:AIがあなたの企業を「誤解」している部分を特定し、修正することができます。これは今後のAI検索で適切に表示されるための措置です。
- 秘密の窓の活用:社内には当たり前すぎて外部に伝えていない価値(秘密の窓)を発見し、積極的に発信することで競争優位性を高められます。
- 未知の可能性への挑戦:AIとの対話を通じて、これまで考えもしなかった新たなビジネスの方向性や市場機会(未知の窓)に気づくこともあるでしょう。
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具体的にどうやって「AI×企業のジョハリの窓」分析をするのか?
最も簡単な方法は、ChatGPTなどの汎用AIに「当社をジョハリの窓を使って分析してください」と指示することです。
より深い分析には、専用にカスタマイズされたAIも使えます。
AIコンサル工房の専属AI(インハウスAI)は、お客様のビジネスを学習し、外部AIの視点と内部情報を組み合わせた独自の洞察を提供します。
「AIに自社を分析してもらうと、思いもよらない発見があるかもしれない」
この視点は、AI検索時代の今こそ価値があります。
人間の目とAIの目、両方の視点から自社を見つめ直すことで、新たなビジネスチャンスが見えてきます。