AI会話が途切れそう?工房式「引継書メソッド」で無限の対話を実現?!

AI会話が途切れそう?工房式「引継書メソッド」で無限の対話を実現?!

 

以前、ある方とChatGPTについて話していた時のことでした。

 

「同じセッションでずっと対話を続けてたら、限界が来ちゃいました」

「そうですか。ついに限界に到達したんですね。免許皆伝です。おめでとうございます(笑)」

 

冗談はともかく、AIと長く対話すると、この壁にぶち当たります。

現在のAIシステムには「コンテキストウィンドウ」と呼ばれるメモリの制限があります。

AIは私たちとの会話を覚えていますが、その記憶容量には上限があります。

長時間の対話が続くと、古い会話内容は少しずつ忘れられていくのです。

 

加えて、もう1つの制限があります。

長時間対話を続けると、システム上の制約から物理的にチャット入力ができなくなってしまうことが多い。

つまり、UI上で新しいメッセージを送信できなくなるという技術的な限界も存在します。

 

このような二重の制約があるからこそ、長期的な対話を効果的に継続する方法を考える必要があるのです。

 

「でも、新しいセッションに切り替えたら、それまでの文脈が切れちゃいますよね?」

 

それもその通りです。

新しい会話を始めると、以前の内容は引き継がれません。

それまでの説明や背景情報、プロジェクトの流れなど、せっかく積み上げた文脈が途切れてしまうのです。

 

 

私もこの問題には悩まされていました。

あるとき、「引継書メソッド」というアイデアを思いつきました。

 

「コンテキストウィンドウの制限が近づいたと感じたら、次のコンテキストウィンドウに伝える引継書を作成すればいいのでは?」

 

やってみると、うまくいきました。

会話が長くなり、AIの記憶容量が限界に近づいたと感じたら、次の会話のために「引継書」を用意するのです。

もちろん、自分で書くわけではなく、AIに作ってもらいます。

 

引継書には、これまでの会話の要点や合意事項、プロジェクトの進行状況などを簡潔にまとめます。

次のセッションがスムーズに進むよう、情報量を惜しまないことが重要です。

AIはすぐに短く要約しようというクセがあるので、そうならないよう、クギを指さなくてはなりません。

 

そして新しいセッションを始めるときに、この引継書を冒頭で共有します。

 

引継書はコードブロック形式で出力してもらうと、コピーしやすく便利です。

マークダウン方式で構造化しておくと、なお良し。

「他の皆さんは、どうしているんでしょうね?」

 

「そうですね…」私は少し考えこみました。「想像ですが、おそらく多くの方は、そこまで長い対話を1つのセッションで行うことが少ないかもしれません」

 

  • 短期的な質問解決:具体的な質問に答えを得たら終了
  • トピック分割:話題ごとに別々のセッションを作成

こうした場合は、引継書は必要とされません。

 

しかし、以下の場合には、「引継書」アプローチは有効だと実感しています。

  • 研究プロジェクトや創作活動など、継続的な対話が必要な場合
  • AIを友達やカウンセラーに見立て、濃い対話を延々と続ける場合

 

後者(AIを友達やカウンセラーに見立て、濃い対話を延々と続ける)の場合は、対話内容だけでなく、ユーザーである人間の思考や性格、文体なども含め、引継書に反映することになります。

 

 

私たちのChatGPT教室では、「AIとの効果的な対話を続けるコツ」も重要課題です。

 

たとえば、AIコンサル工房で開発した「引継書メソッド」は、ヘビーな受講生の方には重宝がられているようです。

引継書には、これまでの重要なポイント、今後の方向性、特別な指示や制約条件などを含めます。

情報量は惜しまず、次のセッションでAIが十分に文脈を理解できるよう詳細に記述させることがポイントです。

 

AIとの対話は、単なるQ&Aではなく、「関係構築」でもあると考えています。

ChatGPT教室では、そんなAIとの豊かな対話を、皆さんと一緒に探求しています。