冷蔵庫ちゃうでのビジネスモデル

たとえば昔の友人に、久しぶりに連絡を取ったとき。

会話はできるけれど、どこか噛み合わない…そんな経験はありませんか?

もしかしたら「前提」がズレてもうてるんかもしれません。

何年も前に登録してくれたメルマガ読者。

その方は、今どんな生活を送っているでしょうか。

ときにはそんな問いを、自分に投げかけてみませんか?

 

登録してくれた瞬間は、確かに“見込み客”でした。

けれど、そこから3年、5年と月日が経ち、相手の生活や価値観が大きく変わっているかもしれません。

 

私たちはつい「一度リストに入ったら、ずっと同じ前提で接していい」と思ってしまいがち。

でも、リストは冷蔵庫の役目を果たしません。

入れといたらそのまま美味しく使える、なんて話やあらへんのです。

古くなった関係性をそのままにしておくと、ビジネス全体がどこかチグハグになってしまいます。

 

 

よく「顧客リストのメンテナンスが大事」と言われると、「アクティブじゃない人を削除すること」と捉える方が多いように思います。

確かに、それも1つの方法ではありますが、それだけでは足らない気がします。

 

見込み客は、登録してくれたあの日のまま、時間が止まっているわけではありません。

 

  • 結婚したかもしれない
  • 引越したかもしれない
  • 副業を本業に変えたかもしれない
  • ビジネスを手放したかもしれない

 

時間が経てば、当時の関係性の前提も変わっている可能性が高いのです。

 

リストのメンテナンスとは、単に整理する行為ではなく、「関係性を今の自分たちにアップデートする作業」だと捉えることが良いように思います。

 

 

とはいえ、アップデートしたいといっても、全員と直接会話するのは現実的ではありませんよね。

そこで、こんな小さなアクションが考えられます。

 

  • ミニアンケートを送ってみる:「最近、どんなことに関心がありますか?」のような軽い感じで。
  • クリック率の変化を観察する:以前は反応していたテーマに、今は無反応になっていないか。逆に新しいジャンルに反応していないか(分かればですが)。
  • 反応のない読者に「卒業オプション」を提示する:今のフェーズに合わない読者には、やさしく手放してもらう選択肢も、誠実な関係の一部です。

 

こうした行動は、たとえば喫茶店の常連さんに「最近、顔見なかったですね。お元気でした?」と声をかけるのと同じ。

小さな接点の積み重ねが、「今の関係性」を見直すきっかけになります。

 

社員数ゼロでも、ツールが高機能でなくても、こうした気配りは充分に可能。

むしろ、大きな企業では拾いきれない“変化のサイン”をキャッチできるのが、小さなビジネスの強み。

 

「リストの中の人たち、今どんなフェーズにおるんやろ?」

そう問いかけるだけで、あなたの発信や商品提案の角度が変わってきます。

 

一度きりの出会いではなく、時間とともに育つ関係性を。

それこそが、小さなビジネスにとっての大きな資産なのかもしれません。

さて、「リストは冷蔵庫ちゃうで」という話をしましたが、もしもあなたが、そのリストの一人ひとりと“今の関係性”を再構築したいと思ったとき、AIという強力なパートナーが現代では使えるようになっていますね。

 

たとえば、「ミニアンケートを送ってみる」の件。

そのアンケート、ChatGPTに設計してもらえます。

「今の読者の関心フェーズを知るには、どんな質問がいい?」と聞いてみると、予想以上に気の利いた聞き方を提案してくれたりします。

 

その回答データの分類もAIの得意技。

「この回答群、どんなパターンに分けられる?」と訊けば、

「この人たちは副業系の関心が強いですね」

「このグループは家庭の時間が増えていて、ライフスタイル重視です」

みたいに、人の目では埋もれがちな“傾向”を見抜いてくれるのです。

 

つまり、かつて「名簿の山」だったリストが、AIを通すことで、「今この瞬間、どんなニーズが潜んでいるか」を示してくれる宝の地図に変わるんですね。

 

ChatGPTのようなAIは、データの処理や分類だけでなく、「言語のセンス」にも長けています。

ちょっとした一言を添えるのが苦手…という場合は、メルマガの書き出しや、卒業オプションの文面も、AIに相談してみてください。

 

 

ところで、リストを冷蔵庫のように放置しないのと同様、AIも「ただ使って放置」の道具ではありません。

 

AIもまた、関係性を育ててこそ真価を発揮します。

雑に使えば雑な返事が返ってきますが、丁寧に向き合えば、まるで頼れる同僚のように応えてくれる。

 

少しずつ会話を重ねながら、自分のビジネスに合った使い方を見つけていく。

そういう関係性を、AIとも築きたいものです。