文章は、その人の心を映し出す鏡です。
普段何気なく書いているメールや報告書、SNSの投稿からも、けっこういろいろと情報が読み取れますよね。
AIコンサル工房では、この「文章心理分析」をパッとやれるAIがあったら面白いなと思い、「作文診断士」なるアプリAIを試作しました。

私たちが文章を書くとき、意識していなくても様々な特徴が現れます。
言葉の選び方、文の長さ、句読点の使い方、論理の組み立て方──これらすべてに、その人の性格や価値観、そして現在の心理状態が反映されています。
几帳面な人は整然とした文章構造を好み、創造性豊かな人は独特な表現を使う傾向があります。
ストレスを感じているときは文章が短く断片的になったり、逆に饒舌になったりすることもあります。
このような文章の特徴から筆者の内面を読み解くのが「作文診断士」です。
人間ではなく、膨大な文章データを学習したChatGPTのような生成AIに、分析をさせてみようというのが、このアプリAIの趣向です。
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使い方は至ってシンプルです。
分析したい文章(メール文、作文、報告書、SNSの投稿など)をコピーし、「作文診断士」のチャット画面に貼り付けるだけ。
数秒で詳細な分析結果とコミュニケーションアドバイスが得られます。
例えば、「取引先からのこのメール、なんだか冷たく感じるけれど、どう返信すればいいだろう?」と悩んだときも、そのメール文を貼り付けるだけで、相手の性格傾向と効果的な返信方法のヒントが手に入ります。
貼りつける文章は、短い文章よりも、ある程度まとまった文章の方が精度が高くなります。
なので、短いメールをやり取りしている場合などでは、同じ相手からの過去のメールをいくつか、まとめて貼りつけるのが良いでしょう。
文章が書かれた状況や目的も合わせてAIに伝えることができれば、もちろんベストです。
ただ、ある程度の文章量があれば、書かれた状況や目的はそこから読み取ることができるので、あまり気にしなくてよいかもしれません。
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「作文診断士」は、心理学で広く認められている3つの手法を用いて、文章の書き手を多角的に分析します。
<ビッグファイブ性格分析>
現代心理学で最も信頼性が高いとされる性格分析手法です。
文章から5つの要素を評価します:
- 開放性:新しい体験への好奇心
- 誠実性:責任感や計画性
- 外向性:社交性やエネルギッシュさ
- 協調性:他者への共感や協力性
- 神経症傾向:ストレスへの敏感さ
<MBTI性格タイプ>
16のタイプに分類することで、その人の思考や行動のパターンを詳細に分析します。
文章の論理構造や感情表現から、筆者がどのようなタイプに該当するかを推測します。
<エニアグラム>
9つのタイプに分類し、その人の根本的な動機や恐れを解析します。
文章の背景にある価値観や行動原理を読み解くのに特に有効です。
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「作文診断士」を使うとしたら、たとえばこんな場面でしょうね。
<取引先とのコミュニケーション改善>
相手から受け取ったメールや提案書を分析。
その人の性格傾向を把握し、より効果的なアプローチ方法を見出す。
論理的な人には数字を交えた説明を、感情重視の人には共感を示しながら話を進めるなど、相手に合わせたコミュニケーション戦略を立てます。
<チームマネジメントの向上>
部下や同僚の報告書や企画書から、その人の強みや課題を発見。
細かい作業が得意な人、大局的な視点を持つ人、人間関係を重視する人など、それぞれの特性を理解すれば、適材適所の配置や効果的な指導方法を見つけられるでしょう。
<教育現場での活用>
生徒の作文や感想文から、その子の興味関心や心理状態を理解。
内向的な子には安心できる環境づくりを、好奇心旺盛な子には新しい挑戦の機会を提供するなど、一人ひとりに合った教育アプローチをするヒントになりそうです。
<採用活動での参考情報>
応募者のエントリーシートや志望動機から、書類だけでは見えにくい性格的な適性を判断する材料として活用できるかもしれません。

「作文診断士」を使用する際は、倫理的な配慮もしておきましょう。
- 分析結果はあくまで「傾向」であり、絶対的な判断ではありません。
- 他者の文章を分析する際は、本人に無断でそれをSNSに公開するようなことは、避けましょう。
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文章に込められた心の声に耳を傾け、相手をより深く理解する──「作文診断士」のようなツールは、AIが私たちの理解力を拡張してくれる好例です。
人間だけでは見落としがちな文章の特徴を、AIが客観的に分析し、新たな気づきを与えてくれます。
(ChatGPTがあればすぐに動きます)