ビジネスチャンスとは何でしょうか?
それは必ずしも新しい技術や革新的なアイデアから生まれるものだけではありません。
すでにそこにある「情報のギャップ」に気づき、行動することから生まれることがあります。
今回は、日常に潜む「気づく」と「行動する」について、ある友人のエピソードから見てみましょう。

アメリカでは州によってペットの売買が禁止されています。
動物愛護の観点からです。
以下は、ペットの売買を現在は禁止しているある州が、まだ禁止していなかったころの話です。
その州に留学していた友人のAは、ちゃっかりした奴でありまして。
新聞の広告欄を見ながら小遣い稼ぎをしていたそうです。
Aが購読していた新聞にはときどき「犬求む」と「犬売ります」の広告が載っていました。
Aはその新聞を手にしたまま、2回電話をかけます。
- 1回目の電話で、「犬売ります」の広告主から犬を買います。
- 2回目の電話で、「犬求む」の広告主にその犬を売るのです。
ちゃっかりしてますね。
でも、A自身、「なぜ広告主が自分で電話をかけないのか」と不思議に思っていたそうです。
なにしろ、「犬求む」と「犬売ります」の広告は、同じページに載っていましたから。
どちらの広告主も、もう一方の広告欄を見て電話をかける、という単純なことをしなかった。
あるいは、同じページに「売ります」「求む」の両方が載っていることすら、気づかなかったのかもしれません。
この話には、こんな示唆が含まれているように思います。
- 「売りたい人」と「買いたい人」がいるだけでは、取引は成立しないことがある
- 情報はそこにあっても、誰もがそれに気づくとは限らない
- 気づいたとしても、誰もが行動するとはかぎらない
言い換えれば、「気づく」+「行動する」のセットで、ちょっとした商売ができるということです。
▽
似たような例を挙げてみます。
ある人は、異なるフリマアプリ間で中古ブランド品の価格が違っていることに気づきました。
アプリAでは安く売られている商品が、アプリBでは高く取引されています。
しかし多くの出品者は、複数アプリに出すのが面倒で、価格調査もしていません。
そこでこの人は、「安く買って高く売る」を行い、差額を得ています。
スマホの操作に悩む高齢者は多いですが、自分からサポートを探すのは億劫です。
一方で、スマホ操作に長けた若者は、自分のスキルがお金になるとは想像していません。
このギャップ気づいたある大学生は、高齢者宅を訪問してスマホサポートを提供し、好評を得ています。
地域のゴミ捨て場に、空き缶や瓶、紙箱などが捨てられていました。
これを見て「これ、工作材料として欲しがる人(とくに保育園やアート系学校)がいるのでは?」と気づいた人がいます。
きれいに洗ってジャンル別にまとめ、ネットで素材として販売しはじめました。
これらはすべて、「気づく」+「行動する」がセットになった結果です。
▽
ビジネスとは、必ずしも複雑なものではありません。
ときに、単純な「気づき」と「行動力」の組み合わせが、いろんなチャンスを生み出します。
私たちの身の回りには、きっと、情報のギャップがあふれているのでしょう。
そして(筆者である私を含め)多くの人が見過ごしているのでしょう。
それらに敏感になり、「なぜ誰もこれをやらないんだろう?」と思ったとき、あなたのビジネスが始まるかもしれません。
明日からの日常生活で、ちょっと意識してみてはいかがでしょうか。
あなたの周りにも、友人Aのような「ちゃっかり」ビジネスのタネが落ちているかもしれません。

「ちゃっかりのビジネスモデル」は、AIの登場によってさらに開花する可能性を秘めています。
そもそも「ちゃっかり」とは、「他人の努力や資源、あるいは流れや仕組みをうまく利用して、自分の利益や成果に結びつけること」ですよね。
泥臭いことはせず、でも結果はしっかり取っていく、良くも悪くも、その姿勢。
ある意味「賢く省エネに成果を出すスキル」とも言えるのですが、まさにAIの活用も、「がんばりすぎずに成果を出す」ためのツールです。
AIは文章やアイデアを量産してくれますね。
これを活用せずに「自分で全部頑張る」のは、ちゃっかり道から外れるといっても過言ではありません。
▽
たとえば、こんな場面で「ちゃっかりAI」できます。
<セールスレターの作成>
文章をひねり出すのに数時間かかっていたセールスレター。
AIにざっくり商品の概要とターゲット顧客のイメージを伝えると、それらしい原稿が秒で出てきます。
もちろん修正は必要ですが、ゼロ→イチのしんどさが劇的に減ります。
<アイデア出し>
「なんか面白い企画ないかな」とひとり唸っている時間も、AIに「このテーマで何か新しい切り口ない?」と聞けば、無限に出てきます。
気づけば、「自分のほうがAIよりもやる気なかったな…」と反省する羽目に。
でもいいんです。
やる気がないときでも、AIがいてくれれば進むのがこの時代のありがたさ。
▽
従来のちゃっかり戦略では、「できる人にうまくお願いする」「リソースのある組織に便乗する」といった「他人をうまく使う」ことが中心でした。
でも、これってときに人間関係を消耗させるリスクもある。
その点AIは、気疲れがない。
24時間365日、文句も言わずにこちらのために働いてくれます(しかも安価に)。
まさに「人間関係コストゼロの相棒」です。
▽
「ちゃっかり」という言葉に、どこか後ろめたさを感じる方もいるかもしれません。
でも、限られたリソースの中で成果を出していくためには、これは立派な生存戦略であり、知恵です。
そして今は、その戦略にAIという強力な仲間が加わりました。
まっとうに、でも、ちゃっかりと。
AIと一緒に、あなたのビジネスをもっと面白くしていきましょう。
AIは、資金も時間も体力も限られたスモールビジネスの大きな味方。 AIコンサル工房では、「令和のビジモデナビ」というビジネスモデル設計を支援するアプリAIを用意しています。 「気づきは得たけど、どんなビジネスにすればいいの?」という、ビジネス化の一歩手前にある課題を、AIが一緒に考えてくれます。 アイデアを聞かせると、さまざまなビジネスモデルの型に照らし合わせて、ちゃっかり収益化できそうな道筋を提案してくれます。
(ChatGPTですぐに動きます) |